前からずっと、食器棚の棚板の高さが微妙に合っていないのが気になっていました。お皿や小鉢を入れるたびに、上の空間だけがぽっかり余っていて、「ここ、もったいないな」と思うんです。でもその一方で、入れたい食器は中途半端な高さで、きれいに収まるわけでもない。結局、少し無理をして重ねたり、手前と奥で置き方を変えたりして、その場しのぎで何とかしていました。
見た目だけならまだ我慢できたかもしれません。でも実際にしんどかったのは、毎日使うたびに小さくストレスが積み重なることでした。上は空いているのに、下はぎゅっと詰まっている感じがして、コップを取るときも小鉢を戻すときも、なんとなく動きがスムーズじゃないんです。ちゃんと片づけているつもりなのに、食器棚を開けるたびに「もっと使いやすくできそうなのに」と思ってしまって、そのたびに少しだけ疲れていました。
棚板そのものを動かせたら早いのかもしれないけれど、うちの食器棚はそう簡単に調整できないタイプでした。だから大きく買い替えるしかないのかな、とまで考えたこともあります。でも、そこまで大ごとにしたいわけじゃない。ただ、この“中途半端な空間”をどうにかしたかったんです。
そんなときに気になったのが、棚の中にそのまま置けるコの字ラックでした。最初は正直、「そんなに変わるのかな」と半信半疑でした。見た目はすごくシンプルだし、やっていることはただ空間を上下に分けるだけ。でも、逆にそれくらいのほうが、今ある食器棚をそのまま活かせていいのかもしれないと思って、いちばんよく使う棚にひとつ置いてみることにしました。
実際に置いてみて最初に感じたのは、思っていた以上に“空間が仕事をし始めた”ことでした。今まで何もないまま空いていた上の部分に、小皿や小鉢、よく使うカップを置けるようになって、下には少し高さのある器を無理なく収められるようになったんです。ただ詰め込むのではなく、上と下に役割ができた感じで、棚の中が急に整って見えました。
それから、出し入れのしやすさもかなり変わりました。前は下のお皿を取るたびに、上に重ねた食器が気になって手元に変な緊張感があったんですが、コの字ラックを入れてからは、その“ちょっとした気の遣い方”が減りました。食器を重ねすぎなくてよくなったので、取りたいものにすっと手が届くんです。ほんの一瞬の差なのに、毎日それが続くとかなり大きいんだなと実感しました。
見た目の印象も思ったより変わりました。前は何となくごちゃっとして見えていた棚の中が、上下に分かれただけで、整っている感じが出るんです。収納量が増えたというより、同じ量でも落ち着いて見えるようになった感覚でした。食器棚って閉めてしまえば終わり、と思っていたけれど、毎日何度も開ける場所だからこそ、ぱっと見の気持ちよさも意外と大事なんだなと思いました。
今では、「棚板の高さが合わない」と感じたときに、すぐ大きな収納家具や買い替えを考えなくなりました。まずは空間を一回区切ってみる、それだけで解決することもあるんだとわかったからです。あの頃の私は、収納が下手なんじゃなくて、棚の中の空間がうまく使えていなかっただけだったんだなと思います。同じように、上が余るのに下が詰まる感じにモヤモヤしているなら、コの字ラックみたいな“置くだけで二段になるもの”を一度試してみると、本当に印象が変わると思います。大がかりじゃないのに、毎日の取り出しやすさと気持ちの軽さが、じわっと変わっていくはずです。